消したい過去と、今も残る痛み
もう思い出したくない。
できれば忘れてしまいたい。
そんな過去の出来事が、心の中にずっと引っかかっていることはありませんか。
ふとした拍子に思い出して胸が痛くなるような記憶。
言葉にできないまま、静かに残り続ける感情。
私たちには、それぞれそうした傷ついた経験があるものです。
その経験が、誰かに寄り添う力になる
過去の出来事に意味を見出そうとしなくても、
「あんなことがあった」と認めるだけで、
私たちはその瞬間を生き延びてきた証になります。
そしてその経験は、
誰かの痛みに共感したり、
そっと寄り添ったりする力になることもあります。
傷ついた経験があるからこそ、
見える景色や、伝えられる言葉があるのです。
自分の強さに気づくための視点
つらい経験をただ「意味のあることだった」と片づける必要はありません。
けれど、その経験を経た今の自分に目を向けたとき、
気づくこともきっとあるはずです。
あのときの自分は、弱かったのではなく、
ただ必死に耐えて、今までを生きてきた。
その事実こそが、あなたの強さの証です。
今日のワーク
これまでに経験した「傷ついたこと」をひとつ、思い出してみてください。
そして、自分に問いかけてみましょう。
「あの経験を通して、私が得たものは何だっただろう?」
たとえば、
・人にやさしくなれた
・自分の限界を知った
・本当に大切なことが見えた
小さな気づきでかまいません。
それに気づくだけでも、心の中で何かが少し動き出します。
おわりに
過去は変えることができません。
でも、その経験にどんな意味を持たせていくかは、これからの自分が決めていけます。
傷ついた記憶は、ただの痛みでは終わりません。
それが癒えたとき、
あなた自身の力になり、
誰かにとっての希望にもなり得ます。
その歩みは、確かに意味のあるものになっていくはずです。